ども。
揚げ食パンでオレの基本的人格を形成したと言っても過言ではない三浦です。
1980年代中期
福岡の薬院に住んでいたオレは毎日のように母親と老舗パン屋である東屋(あずまや)にパンを買いに行っていた。
見るからに小汚ない感じの昭和感まるだしなショーウィンドウに並べられたパンを選ぶのが毎回楽しみで楽しみで仕方なかったけど揚げ食パンだけは選ぶことを母親は許してくれなかった。
三角形型に切られた食パンにアンコかクリームを挟んで揚げたドス黒い揚げ食パン。まだ5.6才だったオレが食べるには早いと母親は言う。
メロンパンやクリームパンは食べれるのに揚げ食パンだけは食べれない理不尽さに不満しかなく、何とかして食べたいオレを気づかってか先代の店主であるジジイが「ひとりで今度きな」と耳打ちしてくれた。
後日。はじめて一人で東屋に行ったらジジイが揚げ食パン2種類を持ってきてくれて「食べな」と言ってくれた。接客担当のババアとは違ってジジイは口下手でどこか愛想がない。でもオレみたいなクソガキ相手に揚げ食パンをくれたことがうれしい。
揚げ食パンの味はオレが想像する以上に美味かった記憶。母親に黙ってジャンキーな食べ物を食べてる背徳感は子供ながらにゾクゾクした。
以降、小学生高学年になるまで小遣いで揚げ食パンを買いに行って友達と一緒にワイワイ食べる日常が続いたんだけど東屋が突然の閉店。どうやらジジイが死んだらしい。
またまた~ウソだろ?と思いながら閉まっている東屋に友達を連れて行くもババアがパンの並んでないショーウィンドウを黙々と掃除を繰り返している。
ジジイが店の奥に立っている気がした。オレのために揚げ食パンを取って置いてくれることも、友達とのケンカに仲裁してくれることも、先生のグチ話を聞いてくれることもない。スゲー悲しい。
東屋はリニューアルオープンした。今までの昭和感を全て払拭してキレイな感じの店に変貌。ただ揚げ食パンはメニューから外されていた。ババアが元気にパンを売りさばいてる姿を見たのを最後にオレは東屋には行かなくなった。
東屋の揚げ食パンがオレに教えてくれたことは人間味。揚げ食パンを通じて先代のジジイの人間味に触れあえたことは一生忘れない。たぶん。
~本日の割引~
22時30分までにご来店のお客さん限定!
フリー初回60分4980えんの税別!!!
~本日のスタメソ~
・かな
・れい
・ことね
・るい
・れな
・みか
なんでこんな話になったかっつ~とセブンイレブンで揚げ食パンが発売されたから。
東屋の揚げ食パンには到底及ばないけどオイシイよ~。